icoエストニアの仮想通貨エストコインが計画は縮小、発行されない事が濃厚に

世界でも屈指のIT国家エストニアはバルト海の東側に位置している国で、面積は日本の1/9・人口は130万人と決して大国ではありません。しかしこの国は、世界でも有数のIT国家と言われています。というのも政府が率先してITインフラの技術革新を進めているからです。2018年1月には日本の安倍首相も訪問して両国間の投資や経済関係の促進について会談しました。その中でもIT分野の協力について、力を入れて話し合いが行われたと言われています。

日本は2020年には東京オリンピックの控えていることは周知の事実です。海外からの注目の目も高まってくるでしょうし、サイバー攻撃も強まる可能性が懸念されます。そこでサイバー攻撃への対策として協力を求めました。エストニアはNATOのサイバー防衛協力センターが置かれているほどで、セキュリティ分野でも先進国といっても過言ではありません。日本政府が注目している国と言われると、無視できないという人も多いのではありませんか?

仮想通貨を国家で初めて発行するかも?

現在IT分野の中でも急速に存在感を高めているのが、仮想通貨です。2018年現在、実に世界中で1000種類を超える通貨がやり取りされていると言われているほどです。この仮想通貨、今までは民間の組織や開発チームが作ってきました。しかしエストニアでは、国家によって仮想通貨を発行する構想があります。それがエストコインと呼ばれる暗号通貨です。エストコインの資金調達手段として、icoが使われるのではないかと見られています。icoは現在注目を集めている、新規仮想通貨公開と呼ばれる手段です。

IPOという資金調達手段を新聞などで見かけたことがあるという人もいるでしょう。新規株式公開のことで、株式上場の際に用いられる手段のことです。このIPOの仮想通貨バージョンと思ってもらえれば、イメージしやすいでしょう。株式の場合、株券をだれでも取引できるようになります。仮想通貨の場合は、そのコインが自由に取引できるようになるわけです。

エストコインはまだ構想段階である

もし国家が仮想通貨を発行すれば、仮想通貨のマーケットは新しい段階に入るでしょう。しかし2018年現在、まだこのエストコインは構想段階の域を抜け出せていません。実際先ほど紹介したICOについても計画は確かにありますが、実際には行われていないのは、まだクリアしなければならない問題もあるからです。

まずこの国家はEUに加盟していて、EUに加盟している通貨は基本的にユーロを共通のものとしています。ですからユーロとの兼ね合いをどうするかという問題が生じます。ちなみに欧州中央銀行のドラギ総裁は「ユーロ圏の各国は独自に通貨を作ることはできない」としていて、「ユーロ圏の通貨はユーロ」と明言しています。この辺のところは了解済みで、ゴージュス電子化担当相は「ユーロの代替手段としてエストコインを提供することはない」とコメントしています。

もしエストコインのICOが行われた場合、通貨である以上担保が必要になるでしょう。例えばベネズエラはPetroという仮想通貨の開発を進めています。こちらはPetroの価値を担保するために石油を用いるのではないかと言われています。エストコインも上々当初はまだ海のものとも山のものともつかないでしょう。

そこで何か担保になるものが必要です。例えばアメリカドルやイギリスポンドなどは世界の主要な通貨で、普通に世界中で取引されています。しかしそれでもいきなりそれだけの高い信頼性を得ていたわけではありません。金本位制の時代には、金を担保として取引されていたこともありました。日本円は世界的に強い通貨とよく言われ、経済の危機が生じると円買いが進みます。しかしこれも日本経済の信用性の高さがある意味担保になっているといえます。

ではエストコインは何を担保にするのか、政府では対策を進めています。ICOの計画の中で、もし実現できれば政府が同額のユーロを担保する構想があるようです。ユーロはアメリカドルや日本円とともに世界を代表する法定通貨ですから、信頼性は担保されるといっていいでしょう。もしエストコインがマーケットで出回るようになれば、さらに仮想通貨市場の取引も活発になる可能性が出てきます。

エストコイン計画は縮小、発行されない事が濃厚に

まだエストコインはマーケットでトークンを発行されているわけではありません。しかし最新情報をチェックしたければ、メールマガジンを購読することは可能でした。サブスクリプション登録ページがインターネット上でアップされていましたが、エストコインは構想を縮小させると共に、メルマガも現在は廃止されています。

政府広報担当者によるとエストニアはすでにユーロを採用している為、独自の暗号通貨の発行は考えていない事が濃厚となりました。 エストコインと呼ばれるトークンは、政府主導のe-residencyのIDとして使用される可能性があるとの事です。




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