icoの大半が失敗している…その理由は何?

ICOは苦戦を強いられている

ICOは資金調達の手段として近年にわかに注目を集めました。しかしここにきて苦戦も伝わるようになりました。例えば2018年におけるデータを分析したところ、2018年の春時点で74のicoが行われました。その中で赤字になっているのが全体の76%に達しました。平均するとドル収益は0.9倍と、1を切っている状況です。また赤字で取引されているICOトークンを上場させている56の仮想通貨のドル収益はさらに低く、平均0.45倍です。このように見ると、多くのICOが失敗に終わっていることがわかります。

経験不足が大きな要因

ICOがなぜこのようにうまくいかないのか、原因はいくつか考えられます。その中で大きいのは、ICO企業の経験不足によるものです。ICOのターゲットとなる業界として金融・配送・不動産などがありますが、メンバーを見てみるとこの分野に詳しくないケースも少なからず見られます。マネジメントの経験不足が響くパターンも見られます。

それぞれに専門的な知識・スキルを持っているけれども、雇用や会社のファイナンス、PRといった事柄の知識・経験が不足しているため、思うようにプロジェクトが進まないわけです。また、コミュニケーション不足が原因となってうまくいかない事例もあるようです。やはりICOを成功させるためには、投資家への情報発信を積極的に行わないといけません。ところがコミュニティへの情報のアップデートをおろそかにしてしまって、資金不足に陥るパターンもしばしば見られます。

技術にこだわるあまり失敗することも

ICOや仮想通貨の専門家の間で指摘されている点で、ICOチームがあまりに技術に重きを置きすぎているのも問題といいます。技術を重視することももちろん大事ですが、マーケットリサーチも同様に力を入れるべきです。せっかく高い技術力を持っていても、市場のニーズとズレていれば、なかなか評価されません。マーケティングを進めて、消費者は何を求めているのか、自分たちの技術はどういったメリットをもたらしてくれるかを考えないといけません。独りよがりになりすぎているという指摘です。

分散型プラットフォームを提供する企業のCEOのインタビューがネットに紹介されていました。その中で「ICOの多くで有望で新しい技術が公開されている」と評価しています。その一方で「せっかくいい技術を持った企業であるにもかかわらず、多くは外部とのコミュニケーション不足に陥っている」と指摘されています。このため、なかなか外部にアピールできていないわけです。このようなICOチームを見てみると、「設計さえすれば、いずれはブームが訪れるだろう」という楽観的な考え方が蔓延しているといいます。

ICOという資金調達のメカニズムそのものに問題が

ICOというメカニズムそのものに問題があるという話も見られます。実はICOを行っている企業の中には、最低限使えるプロダクトやコンセプトの証明すら行っていない案件が多いのです。また、ICOの参入障壁の低さが玉石混交になって、レベルの低いICOも多数混ざる点も問題でしょう。

ベンチャーキャピタルなどほかの資金調達方法と比較すると、かなりハードルは低く設定されています。通常であれば、企業や監査法人などの厳しい評価プロセスがありますが、ICOにはこれがありません。誰でもできる手軽さはメリットですが、本来であればまだまだ未熟なビジネスアイデアでもICOができてしまうのです。

実際、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家にプロジェクトを拒否された案件が、ICOで出される事案もあるほどです。たとえ現時点でプロジェクトに欠陥があって失敗の起こる可能性を想定できても、ICOで公開できたプロジェクトはたくさんありました。このような余りにハードルの低すぎる点も、ICOでうまくいかない案件の多い一因と見られています。

仮想通貨市場そのものが厳しい状況に

2018年年始までは、ほとんどの仮想通貨がどんどん上昇していきました。「億り人」という言葉に代表するように、仮想通貨に投資した結果、資産が数十倍、いや数百倍まで一気に膨らみました。まさに仮想通貨バブルが生まれたのです。しかし2018年1月から、ほとんどの仮想通貨が暴落を起こしました。これにはいろいろな原因が考えられます。まず先ほど言ったバブルの膨張があまりに過剰だったため、その揺り戻しの結果として暴落が起きたからです。

また、海外の動きも関係しています。それまで仮想通貨の取引大国だった中国の人民副総裁が、仮想通貨を禁止すべきと声明を出しました。中国の資産が国外流出するのを懸念したとされますが、中国の投資家が仮想通貨から離れるのではないかと懸念して暴落したわけです。市場そのものが状況悪化したため、ICOもその影響を受けてしまったのです。このようにicoはリスクの高い資金調達法なので、参加する際には慎重な態度で臨みましょう。




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