日本のicoにおける規制・金融庁はどう考える?

金融庁で仮想通貨やICOに関する研究会を開催

2018年4月10日、金融庁ではとある研究会の初会合を行いました。これは仮想通貨交換業に関する制度について検討する会でした。この中でいろいろなことについて議論されましたが、その中でも中心となったのが仮想通貨の資金調達方法の中の一つ・icoへの対応でした。

icoは将来有望なベンチャー企業が資金調達するのにはメリットがあります。低コストかつ短期間で資金調達できるからです。しかしその反面、問題点もいろいろと出てきています。その中でも投機目的で利用される場合や詐欺的な事例も報告されています。資金調達にめどが立ったらそのまま行方をくらまして、投資家が損害を受けるといったケースも見られます。そこでICOをどのように規制するかという議題について積極的に話し合われました。

ICOは仮想通貨の好況を作り出す原動力

この研究会の中で、「昨今の仮想通貨の好況を作り出す震源地こそICOである」という見解が披露されました。それは確かに数字でも立証できることです。みずほ証券の調べによると2018年2月19日時点でICOによるトークンの販売額は累計で約9400億円にも上ったとのことです。特にその中でも2017年の上半期にICOが急激に拡大していったといいます。そのころには仮想通貨の中の一つのイーサリアムが急騰しました。それをきっかけにして、ほかの仮想通貨も軒並み値上がりしました。これはICOの際にその仮想通貨を購入するためにイーサリアムとの交換を求める案件が多かったからです。

そしてICOのプロジェクトがうまくいけば、別のトークンを購入するためにまたイーサリアムを購入するという循環が生まれます。その結果、イーサリアムをはじめとする価格高騰が生まれた、とこの研究会では結論付けられました。ですから仮想通貨の現状を鑑みると、ICOはもはや欠かせない手段になりつつあると断言しているほどです。しかしどこまでもICOを続けるわけにはいきません。ここで問題になるのは、最終的に誰がババ抜きでいうところのジョーカーをつかまされるのかという点です。

ICOにおけるトークンですが、別に権利などは一切伴っていません。そうなると今のうちは価値がイーサリアムをはじめとしたほかの仮想通貨と連携して価値を保っています。しかし最終的にいずれかの段階で無価値になってしまう恐れがあるのです。となると最後にババを持っていた人が負けになるのと一緒で、最後にトークンを保有していた投資家は大きな損害を被る可能性があります。このような状況を放置していると、深刻な事態になりかねないと研究会の参加者の間でも意見が出ました。

現在発行されているトークンの中には、例えばそのプロジェクトが利益を上げられた場合、投資家はその分配の恩恵を受けられるものがあります。株式投資した株主が配当金を受け取れるのと同じようなことです。しかし実はこのような権利・資産の裏付けの一切ないトークンもICOで出回っています。ところが一見すると全く購入する理由のないトークンでも、投機目的で購入される事例も出てきています。そのほかにもICOをして資金調達をしてそのままトンヅラしてしまう詐欺のようなトラブルも報告されています。ですから今後規制なども真剣に検討すべきではないか、という話も研究会の中では出てきました。

メリットも殺さないような規則を設ける

ICOに関しては、中国をはじめとして全面的に禁止にしている国も出てきています。しかし今回の研究会の中では、全面的な禁止をするのには慎重な意見が見られました。冒頭に紹介したように、ICOはメリットもあります。ベンチャー企業の資金調達手段では有効だからです。もし全面禁止にしてしまうと、このような資金調達の道を絶たれたベンチャー企業が海外流出してしまい、日本経済の縮小を招くという懸念もあるからです。

また、現在は世界中がインターネットで接続されている状態です。日本国内でICOを禁止したところで、海外のサイトにアクセスしてそこでICOを行われれば、日本の法律が届きません。しかも海外のアクセスを遮断することは、技術的にもかなり難しいです。このような状況も踏まえて、どのように啓発をしていくかが、金融庁はじめとして日本政府に課せられた課題といえます。

ICOは使いようによっては、コアな投資家にピンポイントで出資を募れます。その結果、短期間で効率的に必要な資金を集められます。プロジェクトもどんどん進められるというメリットもあるでしょう。またリスクマネーの確保にもなるというメリットもあります。日本ではこの手のリスクマネーは不足しがちなので、フォローする手段として活用できるポテンシャルも持っています。あくまでも使い方が問題なのです。そこで研究会の中では、ホワイトペーパーをはじめとした情報開示を義務付ける、プロジェクトの進捗状況などを関係省庁で監視を進めるなどの対策も提案されました。




関連記事一覧