日本の金融庁は仮想通貨のicoをどう規制しているのか?

金融庁がICOに対するガイドラインをこの度発表した

仮想通貨が国内でも広く流通するようになったのを受けて、日本政府では改正資金決済法・俗称仮想通貨法を制定しました。この法律の中で仮想通貨に関する定義が行われています。そのほかにも仮想通貨交換業をするためには、金融庁に登録しなければならなくなりました。この法律をもとにして、金融庁では関係する通達を出しました。その中でicoに関する興味深い内容が書かれています。それは海外ICO規制によって、邦人の参加が禁止になった具体例についてです。

タイで行われたICO購入に関して、邦人は参加が認められず購入が不可能になった事例のことです。また先ほど紹介した資金決済法の中でも、仮想通貨交換業の登録の行われていない海外の法人が実施するICOに参加することはできません。このような点もあって、海外のICOに参加はできないというのが金融庁をはじめとした政府の一般的な見解といえます。ちなみにタイ以外にも世界中の仮想通貨取引所があります。これらももちろん金融庁に仮想通貨交換業務の届け出をしていません。このような海外の取引所でICOを行っても、邦人は手が出せないというふうに解釈できます。

ただし日本の規制は世界的に見ると緩やか

このように海外のICOに参加するのは難しいです。しかし世界的に見ると、このようなレギュレーションは比較的緩やかといえます。というのも中国やアメリカなどを見てみると、ICOに参加するのは厳しく制限しているからです。ところが日本では海外の場合には金融庁に交換業登録をしていないから参加できないという間接的な理由を出しているだけで、国内であれば合法とも考えられなくはありません。

2018年4月には政府がバックアップしている研究チームが、基本的な制約づくりを進めています。その中では多岐にわたる内容が盛り込まれています。投資家の特定やマネーロンダリングの帽子、プロジェクトの進捗状況のチェック方法、株式保有者や債務者の保護に関するルールの転用といったことが盛り込まれていました。その中には、ICOの普及の問題について言及しているようです。

ちなみにこの提言は今後金融庁で審議されて、最終的には法律になると見られています。しかし法律化するためには、いろいろな手続きを踏まないといけません。今までの事例を見てみると、法律が制定されるようになるまでには数年単位で時間がかかると考えられます。さらに今回の提言はあくまでもたたき台であり、今後いろいろな人が議論にかかわってきます。与党だけでなく野党の意向なども反映される可能性があるため、今回提言された内容からさらに変わってくることも十分想定できます。

我が国のICOに関する規定は、世界の中では比較的優しいと言われていますが、グローバルスタンダードに対応して、今後厳しくなるかもしれません。ちなみに中国や韓国のICOに対する態度を見てみると、かなり厳しいです。ICOに関しては不正の資金調達や過度の投機の恐れがあるということで、全面的に禁止しています。

またICOに関する報告書を見てみると、ICOを金融証券と明確に規定していないところも、規定がさほど厳しくない根拠の一つになります。なぜ金融証券としていないのか、これはアメリカの意向が大きく関係しているとされています。アメリカの証券取引委員会では、一部のICOには証券法を厳格に適応するとしていることが影響しているのでしょう。

国内でICOする場合には何に気を付ける?

このようにICOの規定は世界的に見ると緩やかというのが実情です。しかしルールが全くないわけではありません。まずICOをかける場合、その主催者は詳しい内容を明確に提示して、投資家に配布・販売する必要があります。例えば調達した資金はどのように使われるのか、利益などが発生した場合にトークンの所有者へどのように配分するのかは明示する義務があります。

またICOの主催者は仮想通貨のプロジェクトの計画を金融庁に報告しなければなりません。加えて、プロジェクト内容は途中で変更することもあるでしょう。その場合にはどこをどう変更したかも逐一金融庁に報告する義務があります。

ちなみに先ほど紹介した研究チームの中では、さらに規定を一歩進めるような提言も行っています。例えば仮想通貨取引所はICOの上場について基準を作ることという項目があります。しかも業界で統一した基準を設けるべきであるとアドバイスしています。そのうえでインサイダー取引に関して厳しく禁止をかけるべきともしているのです。

ICOで動く資金は決して少なくありません。coinschedule.comという仮想通貨の情報について紹介しているサイトがあるのですが、2017年度ICOによって調達された資金は実に9411億円に達したといいます。これだけのお金が動く以上、厳しいルール作りを行って、不正なICOを排除して、投資家保護を徹底することが求められるでしょう。




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